
全国高文祭で発表 「チョウの蛹についての実験」(8/18)
令和3年8月18日、鞍手高校2年の吉柳航(きりゅう わたる)さんが、「チョウの蛹(さなぎ)についての実験~キアゲハの蛹は逆にしても羽化できるのか~」で全国高等学校総合文化祭に出場したことを報告に、市長を表敬訪問しました。
研究のきっかけは小学6年生の頃、飼育していたツマグロヒョウモンのさなぎが図鑑と違うことに疑問を持ったこと。タテハチョウ科のツマグロヒョウモンは尾を固定して頭を下(垂蛹)にしますが、アゲハチョウ科のキアゲハは体に帯糸をかけて頭を上(帯蛹)にして固定します。吉柳さんは、そのさなぎを逆にしても羽化できるのかを研究しています。昨年11月に開催された県総合文化祭ではキアゲハ5匹をサンプルに実験し、自然科学部門で最優秀賞に輝きました。
今回の全国大会に向けての実験は、キアゲハ5匹、ツマグロヒョウモン60匹とサンプル数を増やして、逆にする日数にも差をつけました。そのまま羽化させる個体と3日目から逆にする個体、1日目から逆にする個体の3パターンで実験した結果、ツマグロヒョウモンでは羽化日数に差は見られませんでしたが、1日目から逆にした個体の成虫に腹部や頭部の片側のみ肥大があるなど多くの異常が見られました。
吉柳さんはこの差を「蛹化や羽化に関する脱皮ホルモンが頭部にあり、脱皮ホルモンの濃度が影響しているのではないか」と推測していますが、ホルモンの数値を調べるためには研究設備が必要で、今後大学等にも協力を仰ぎさらに研究を進めていくそうです。
将来は「研究をしつつ、面白さを伝えられる仕事に就きたい」と話す吉柳さん。大会を振り返り、「全国の研究の水準は高かった。他校の生徒の発表を聞けて勉強になった」と語りました。市長は「目の付け所がいい。疑問に思ったことを追求していくのは大切なこと。なぜ、という気持ちを持ち続けて、好きを極めて欲しい」と激励しました。