
高校生が考える「ミライノカタチ」環境サミットで発表(1/13)
市内の高校生が環境をテーマにした発表を行う「直方市環境サミット」が令和6年1月13日、イオンモール直方で開催されました。
本サミットの開催は今年で3回目。市内4校の高校生が自分たちで設定したテーマについて研究成果を発表しました。
大和青藍高校
調理科のある同校は、毎週行われる調理実習での食材の廃棄量が多いこと、食品の過剰除去について、大和生の課題としてフードロスの問題を研究。国内の年間食品廃棄物1,700万トンのうち約半数以上を調理くずが占める現状に対し、調理過程で発生するロスを軽減させる意識を持つことが大切だと話し、年間500~800万トンにもなる食べ残しについても、日常生活で作りすぎに注意するなど無駄をなくす行動を促しました。また、近年のリサイクル率の低下にも触れ、食材や資源を無駄なく利用して欲しいと、呼びかけました。
直方高校
昨年のサミット発表の際に決定したテーマ「私たちの15年後の生活について」から、昨今の高齢者による交通事故多発問題に着目。「15年後には65歳での免許返納が法令化される」との仮説を立て免許返納について街頭アンケートを実施しました。アンケートの結果から60代以上の人は日常生活の維持に車を使用する人が多く、免許返納の年齢は80歳が妥当だと感じていることがわかり、法令化は難しいと判明。そこで公共交通機関の充実や基本的交通ルールの学びなおしで本人の意識を高めることが重要であり、自身も車の技術進歩や地域生活圏における移動手段の確保に貢献したい、と発表しました。
筑豊高校
昨年参加したアースバトン活動の報告。
アースバトンとは、脱炭素社会の実現に向けて将来の地球環境を担う次世代の若者を育成するイベントです。その中で福岡市内に走る車の7割をエコカーにすること、バスの本数やルートを増やすことの2点を提言。そのために福岡市とメルカリ社のライドシェアの自転車事業を基に電気自動車の充電スポットがわかるアプリの開発とアンケート調査による効率的なバス運行を提案し、排気ガス排出量の削減を考えました。
また波戸岬における海洋ゴミ問題については、様々な立場の人と環境にとって最適な取り組みを考えていくのが大切だと話し、身近な人と協力して活動の輪を広げ、人々の意識変容のため地道に行動していきたいと発表しました。
鞍手高校
同校は食品ロスとコンポストについて考察。国内の年間食品ロス量は523万トンでその半数は家庭からの食品ロスです。この問題を認知し食品ロス削減に取り組んでいる人は約8割とのデータから、意識レベルを上げて目的意識を持って削減に取り組む習慣を付けるため「食品ロス取り組み評価カレンダー」を提案。SNSを利用して取り組みを広く知ってもらうことで、一人ひとりの小さな取り組みが大きな成果につながることを想定しました。また、生ごみから堆肥を作るコンポスト利用者の減少に触れ、コンポストを広めることでゴミのリサイクル率を上げる取り組みも提案。食堂から出た生ゴミを肥料に変え、チューリップフェアで利用し、広めることでゴミの処分量や焼却に伴う二酸化炭素の大幅削減につなげると発表しました。
高校生の発表を聞いたコメンテーターの九州経済産業局資源エネルギー環境部の仁田純一さんは「環境をテーマに、柔軟な発想で「社会環境」を研究されていた。自分たちができること、しないといけないことを考え、今回のサミットをきっかけにまた勉強してみてほしい」と講評し、市長は「どのテーマも行動変容のため、他者へ対してどう促すのか考察され、素晴らしい提案だった。本市もゴミの減量に大きな課題を抱えている。みなさんも未来を見据え、次の世代へつなげていくための課題を自覚されたと思う。未来のためにみんなで取り組んでいきたい」と話しました。