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歌って教えて楽しんで

更新日 2018年05月12日

一番つらい時期、音楽に救われて

野上結美さんの画像今は大勢の前で歌ったり、人に歌を教えたりしていますが、小さい頃はコンプレックスのかたまりでした。幼少期は本当に病弱で、体育祭にもほとんど出ていません。絶対音感にも苦しめられていました。しゃべる声が音で聞こえるので、他の人と会話にならないんです。学校ではピアノの調律の狂いや、合唱のハモリがおかしいと吐き気がするくらいでした。吹奏楽部でも、他の人とチューニングが合わないことが気持ち悪くて演奏を止めてしまうことがあり「なんで止めるの?」となって、私が「合わないから」と返すと「生意気な子ね」というように大変だったんです。

そんな苦しい時期を救ってくれたのが、音楽でした。音楽が私の心を代弁してくれたのです。激しいピアノの曲を弾いたときに、自分が今怒っていたんだという感情に気づいたり、歌ったときには歌詞の中に本当の自分の感情を見つけたり、自分との対話はいつも音楽を通してだったと思います。

オペラ、そしてジャズとの出会い

野上結美さんの画像実は中学生までは、ピアニストになりたかったんです。歌は小学4年生から直方少年少女合唱団で習っていましたが、ピアノは4歳くらいから始めていました。直方高校に進学する頃、ピアノの先生に「あなた歌のほうが向いているんじゃない」と言われて、私としては「今?」って感じでした。ただ、歌うことも大好きで、ドレスを着て人前に出るのも好きでした。そこで、本格的に歌を習い始めたんです。高校卒業後は武蔵野音楽大学の声楽科に進み、さらに二期会というオペラ研修所で2年間学びました。声楽の人って、太っているイメージがあると思います。それには理由があって、喉の声帯が車のエンジンで、体がボディだとすると、エンジンが大きいと体も大きくしないといけないんです。私の場合も、二期会の先生から「君は喉のエンジンに比べてやせすぎ」と言われたのがきっかけで筋トレなどをして20キロ太りました。

野上結美さんの画像

二期会の後は、本場のオペラを学ぼうと25歳頃にイタリアに留学しました。そこで思い知らされたのは、イタリア人と日本人との肉体の違いでした。発声には筋肉が大事なんですが、筋肉を正しく使える骨格が日本人にはないことに気づいたんです。声を響かせるには、ろっ骨をいかに丸くするか。でも、日本人のろっ骨周りを輪切りにすると、ひらべったいんです。だから最初は、筋肉で骨を丸く広げていく作業から始めました。筋肉痛で寝返りするのもつらかったのですが、おかげで
今はとても歌いやすいです。そんなクラシック音楽一本の私が、ジャズと出会ったのは30代前半の頃でした。

あるとき、ラムセスというグループとジャズを即興で歌う機会があったんです。初めて歌ったのですが、ラムセスのメンバーが「いけるね」と。それでちゃんと学ぼうと、レッスンを受けにニューヨークに行きました。後で母から聞いた話なのですが、祖父が直方でジャズマンだったらしいのです。ただ私が生まれる前に祖父は亡くなったので、顔も演奏も知りませんが…どこか運命を感じますよね。ジャズのライブではいつも祖父がそばにいて喜んでくれているような気がします。

歌う楽しさを教える

指揮をする野上さんと、教え子の「江戸川思い出の愛唱歌を歌う会」のみなさんイタリア留学では、歌を教えるほうにも興味がわきました。日本人留学生は、声を壊す人が結構多いんです。それは骨格の差、筋肉の差が分からず、無理なレッスンをしてしまうから。それを教えてくれる人がいなかったんです。私自身も大学生の頃に経験した教育実習で、教える楽しさを感じていましたので、歌を教えるヴォイストレーナーとしても、活動の場を広げることにしたのです。
今では教え子は、子どもからご高齢の方まで多彩です。私のモットーは「楽しく」。まずは楽しくやっていると、課題ができたとき、厳しく向き合う勇気が出てくるんです。この繰り返しがうまく回ると成長していけると思っています。生徒さん自身が、このループを見つけて進んでいくようになったときが一番うれしいです。

音楽人生の原点、直方

人生の半分以上を東京で暮らしていますが、音楽活動が軌道に乗れば乗るほど、私の感情の基盤を作ってくれた直方への想(おも)いが強くなっていくのを感じて、直方でライブをしてみたいなと思ったんです。それに応えてくれたのが、直方の友人たちでした。昨年の夏、ユメニティのおがたで開催したジャズライブも、直方の友人たちの力なしでは実現できなかったと思います。同級生がライブ運営を担当し、宣伝などをしてくれました。直方の人は熱いですね~。みんな思いやりがあって、胸が熱くなります。直方の魅力を歌った「のおがたフレンズ」にも、地元の仲間たちの思いが込められています。

1つの見方にこだわらない

コンプレックスって、結局「目線」の問題だと気づいてからすごく楽になりました。自分がコンプレックスだと思っていることも、他の人にとっては、そうではないかもしれません。1つの目線にこだわらないために、若者にはいろんな人に出会ってほしいです。人の輪が広がれば自然と自分の視野も広がっていきます。だから、私は積極的に人に会うようにしています。みなさんにも試してもらいたいです。大丈夫!できます!だって私の幼少期なんて、人見知りどころか、人の会話もまともに聞けなかったんですから。

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企画経営課 ふるさと情報係

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