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Movement Specialist(ムーブメント・スペシャリスト)

更新日 2019年02月14日

一人の少年がダンスと出会い、夢を描いて日本を飛び出しアメリカで武者修行。ロサンゼルスのダンスチームで活躍後、舞台芸術の世界に魅せられて北欧へと活動の場を広げる。ダンスの枠を越えた「芸術的表現者」を目指
し、世界へ―。

表現への目覚め

― ダンスを始めたきっかけや、幼少期の思い出を教えてください。

ダンスに目覚めたきっかけは洋楽で、特にマイケル・ジャクソン(以下マイケル)が好きでした。ビートが心地良くて、何回もカセットテープを聞いていました。それが小学6年生ぐらい。そして、姉が録画してくれたマイケルの映像を見ました。ビリージーンという曲で、ピンスポットを浴びて大勢の観客を感動させる光景に、雷が落ちたような衝撃を受けました。音楽に合わせて汗だくで踊っているマイケル、それを見て感動して泣いている人もいて、会場の熱気が伝わってくるようでした。これは家や学校でも教わらなかったことだと、言葉にならない感動を覚え、ヒップホップやブラックミュージックに興味を持ちダンスの練習を始めました。
学校でムーンウォークっぽい動きを少しやってみたことがあったんですが、5人の同級生が拍手をしてくれて…心が震えました。この5人が僕の初めてのお客さんでした。彼らの拍手がなければ、今の自分はなかったと思います。

― どうやってダンスを練習したのですか?

ずっと独学で、テレビで見た踊りを組み合わせていきました。ヒップホップダンスにムーンウォークを入れたりして。10代の頃は、直方の花火大会や商店街でも踊っていましたよ。見る人に喜んでもらうことを信念にやってきました。

― なぜアメリカで活動するようになったのですか?

福岡のダンスコンテストで優勝して、ロサンゼルス大会への出場権を得たのが最初のきっかけです。ダンスの本場ロサンゼルスで見たのは、技術や形にこだわらず、全力でダンスを楽しむ出場者たちの姿。「楽しい」という熱量を表現している姿に圧倒されました。「間違えずに踊ろう」などという次元ではなく、緊張すら超えて純粋に楽しんでいるのがはっきりと分かったんです。その雰囲気に驚きながらも、自分なりに踊りきって本番を終えました。このときの審査員がウィルといって、ジャネット・ジャクソンのミュージックビデオ等にも出演している、ダンス界では有名な人。彼に「君おもしろい動きしたね」と言ってもらったんです。今やその人と一緒に仕事をしているんですから不思議ですよね。

― アメリカに渡ってからはどのような活動をしていたのですか?

日本でアルバイトをしながらお金を貯めて、ウィルの助けも借りてアメリカに渡り、ストリートや黒人のクラブで修行しました。黒人の世界では、気持ちに加えて「個性」と「技術」が大事で、たとえ基本動作であっても、真似をすると即ブーイング。でも、皆の前に出たからには引くに引けなくて、歌舞伎のような「和」の動きを入れてがむしゃらに踊りました。会場が沸くときもあれば、受け入れてもらえないときもあり…徐々にその理由が分かってきました。
技術的にうまく踊れたとしても、その踊りが誰かの作ったものではダメだったし、個性を強調して技術がともなわなくてもダメだった。それからは自分に似合う動きに作りなおし、テクニックを入れて自分らしさを表現しました。そんなダンスの形作りの大切さを、小さなクラブで知ったのです。

新しい世界

― 現在は舞台での公演にも数多く出演されていますが、ヒップホップから舞台芸術の世界に興味を持ったのはなぜですか?

たまたまラスベガスでシルクドソレイユの公演を見たときに、二回目の雷が落ちました。テントでのサーカスとは全く違う、本場でしか見られないパフォーマンスのために作り込まれた劇場で、僕は想像を超えた世界に飲み込まれました。さらに引き込まれたのは、言葉を使わず芸術的に体でストーリーを進めているパフォーマーの姿でした。いつか物語を体で表現できるような、そんなアーティストになりたいと心の底から思いました。それから舞台芸術の世界にのめり込んでいったのです。
そこでふと、自分のダンスはヒップホップの延長上のオリジナルかぶれに過ぎないのではないかと、すっかり落ち込んでしまいました。今までの価値観を全て壊された感じ。そんなとき、ウィルが「モリ、舞台芸術に興味があるのか。もし本気で学びたいのなら舞台芸術の歴史のあるヨーロッパに行くべきだよ」と言ってくれて、ウィルの仕事先でもあるデンマークに飛びました。そこで見たのは、木のきしむ音が聞こえるような、古く歴史のある舞台。ラスベガスのきらびやかさとは真逆のその世界に、僕は魅せられました。すごく小さな劇場でしたがとても温かみを感じて、ここから勉強したいと思いました。世界で二番目に古いこの劇場で、いつか主役を張れるような表現者になりたいと思い描き、数々の舞台に出演し、2008年に『バンパイアピエロ』という作品に主演。デンマーク国内最高評価を獲得しました。

2008年「バンパイア・ピエロ」での様子Photo by:Topper" Thomas Christensen"

H.Cアンデルセンの一場面

平成29年8月にデンマークで行われた舞台『H . Cアンデルセン』より「ナイチンゲール」。6 つのアンデルセン童話のストーリーを、サーカスやストリートダンス等を用いて表現。(中央が森さん、皇帝役で主演)


シスターネネ美術館での公演の様子

平成29年6月にデンマークのシスターネネ美術館で行われた公演の様子。自ら衣装やマスクをデザインし、ステージには神社のセットを設営。午前4時30分の日の出とともに幻想的なパフォーマンスを披露した。

夢中になれるもの

― ダンスと出会って30年目の節目となる今年、絵本「しろいえほん」を出版されましたが、この作品で伝えたいことは?

しろいえほん表紙画像節目となる年にこれまでの人生を振り返って、何か形に残したいと思い、絵本を出そうと決めました。「カクカク」「ふわふわ」といった表現を用いて、個性やキャラクターを表しました。主人公はたくさんの個性をもったキャラクターに出会いますが、それが個性だとは分かっていないのです。今は分からなくても、何かに興味を持ち、自分を知るのが素敵なことだと思い、この本を描きました。

「しろいえほん」通信販売ページ【外部リンク】

― 直方の子どもたちへのメッセージをお願いします。

僕も恥ずかしがり屋だったのですが、自分と向き合ってやりたいことを見つけて、少しずつ自分を表現できるようになりました。本当は何をしたいかは自分が一番よく知っているはずだから、もしやりたいことが見つかったら、それに向かって突き進んでほしいですね。

このページの作成担当・お問い合わせ先

企画経営課 ふるさと情報係

電話番号:0949-25-2236 ファックス:0949-24-3812
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