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障がい×アート

更新日 2019年02月14日

統合失調症と向き合いながらも、多彩な絵で人々を魅了するアーティスト、石井悠輝雄。16 歳で発症し、長い間、生活・仕事・周りの環境に悩み続けてきた。そんな中で出会ったのが、絵を描くという道だった。自分の障がいを受け入れ、前に進む彼は、何を想(おも)い、何を描くのか。

転んでも、転んでも前へ。

直方市内の定時制高校に通う16歳のとき、統合失調症を発症したんです。妄想が激しくて、自分では病気だとは分からず、周りの方がおかしいなっていう感じでした。それがひどくなって暴れたり、ものに当たったり、部屋の中がぐちゃぐちゃで、父と格闘したこともあります。それで病院に行ったら病気だと診断されて、高校を中退しました。

2年くらい自宅療養した後、大分県にいるおじの家に住み込みで働きました。おじが土木関係の仕事をしており、大分銀行ドームの工事を請け負っているという話を聞いて面白そうだなと思ったんです。すると、ある日、おじから「土木業より絵の方が良いんじゃないか」と言われたんです。当時、趣味で描いていた線画を見たようでした。絵を描くのは保育園の頃から好きで、はせがわ美術工芸でお寺の内装の修復や設計の仕事をしていた父の影響もあるのかもしれません。

おじから絵の道を勧められたとき、僕も絵をあきらめきれない気持ちがあったし、病気が落ち着いていたこともあ
り、家族と相談して関東の美術専門学校に進みました。初めてのひとり暮らしでしたが、絵の勉強が楽しくてしょうがなかった。もっと絵を学びたいと思い、関西の美術系短大日本画コースに進学しました。卒業後は、看板製作の会社に就職したのですが、入社して4ヵ月ぐらいで、幻聴がひどくなったんです。病院で診てもらうと統合失調症を再発していました。それで退職し、母のいる大分に戻って福祉施設に通いました。

その頃に知ったのが、福岡市でアート活動を行う障害福祉サービス事業所「工房まる」の存在でした。代表理事の方が大分に講演に来たのをきっかけに、施設のスタッフに紹介してもらったんです。それから福岡市まで見学・実習に行き、ちょうどメンバーを募集しているということだったので、入所を決めました。


工房「まる」の外観

工房「まる」の外観写真

ひとりひとり、いろいろで、まる。

28歳の頃、障害者手帳を持つようになりましたが、僕は障がい者になったことを受け入れることができませんでした。きっと自分の中に偏見があったのだと思います。障がい者は弱者だと。でも、工房まるに入って、その考えが少しずつ変わっていきました。一緒に絵を描く仲間が本当に生き生きしていて「なんだ、障がいなんて全く気にしなくていいじゃないか」「みんな堂々と生きている」と感じました。「いつかは一般就労しなくては」と思っていましたが、違う生き方をしてもいいんだと感じたんです。そう思えたら、気持ちが楽になりました。

工房まるでは、様々なご縁に恵まれて、福岡ソフトバンクホークス公式グッズのイラストや児童書の挿絵などに携わることができました。平成28年の9月には、天神地下街開業40周年記念の鉄製モニュメントの原画を担当しました。パリをモチーフにした大作で、除幕式では「やっと人に認められる作品ができた」と泣きそうになりました。一緒に来ていた母も、喜んでいました。


天神地下街の鉄製モニュメント

石井悠輝雄さんが作成した天神地下街の鉄製モニュメント

好きなこと、とことん。

石井悠輝雄さんの画像直方を離れて19年経ちますが、たまに帰ってくると家族に会っているような感じになります。小さい頃は、焼きスパ発祥のお店「夕焼け」が好きで、特にフルーツサンドがお気に入りでした。剣神社での相撲大会に出たことも楽しい思い出です。だから、そこに直方というまちがあるだけで、僕の心の支えになっています。

これからも、僕は今と変わらず、死ぬまで絵を描き続けたいですね。僕の作品を知ってもらって、それをきっかけに、いろんな障がいがあることに興味を持ってほしい。「障がい者だから」というのではなく、健常者も障がい者も変わらず、いろんな人がいるということを分かってもらいたいです。人にはそれぞれ役割があると思うんです。どんな人でも、生きてちゃいけない人なんていない。軽い言い方かもしれませんが、好きなことを見つけて楽しんじゃえばって思いますね。結局「幸せ」って決めるのは、僕は自分自身だと思うので。

石井悠輝雄と大峯直幸さんの画像平成29年10月10日から15日、直方谷尾美術館で「石井悠輝雄と大峯直幸の二人展」が行われました。当日の様子は「まちの話題」【内部リンク】からご覧いただけます。

このページの作成担当・お問い合わせ先

企画経営課 ふるさと情報係

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