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異能の陶芸家

更新日 2019年02月14日

泥遊びにハマって

篠崎裕美子さんの画像

小さい頃は美術に興味は無く、自然の中で遊びまくっていました。米粒すりつぶして自作の餅みたいにして食べたり、細かくちぎったティッシュの山を作って、ふっと息で飛ばしたり、キンモクセイの花をいっぱい集めて外で煮たり。思えば、今の作品作りにつながる細かい作業に、すごくハマっていたと思う。

中高一貫校に進んでも、遊び、イタズラ、けっこうやりましたね。泥にハマったのもその頃から。泥水でノートをとって、次の日には消えてたり。雨の日の翌朝、運動場ですくった泥を壁に投げつけて壁中を泥の絵にしたり。そんなこんなで泥にハマって泥遊びが高3までやめられなかったんです。

受験シーズンに入りみんなが受験勉強している間も、私はあいかわらず泥遊びに励み、泥で学校に行けないかなとぼんやり考えていました。デッサンなんかもしたことがないので、実技試験のない学校を必死で探していると、大阪芸術大学というところがセンター試験だけ。ここしかないと受験して合格したという感じ。

他人から見ればちょっと変わった子だったかもしれませんが、その道をひたすら進んだからこそ道が開けたと思います。

陶芸で食べていく

グループ展などに出品して、作品作りの面白さに気付き始めたのが大学の4回生くらい。そのころから陶芸家になりたいと思い始めました。親に言っても絶対に理解されないし、納得させるためには何か賞を獲るのが一番わかりやすいと思ってたところ、大学の卒業制作で陶芸で一番いい賞をもらえたんです。とは言っても、すぐに自分の工房を持って、作品発表の場をもらえるといったレベルではありません。大学院に進めば、自分用の工房の鍵がもらえ、自由に使っていいことになっていたんです。奨学金も取るし大学院に進みたいと親にお願いしました。

院の2年間で、いろんな人々とつながりを作ろうと思いました。若手陶芸家の「イケヤン」というグループに参加したのもそのため。その活動の中で、自分の作品でお金を稼ぐということを知りました。イケヤンでは現代美術界でも有名なギャラリーに展示させてもらえるんでいい経験でした。日中韓グループ展には東京の国立美術館の方も来てくださり、後々国立美術館の展示につながりました。陶芸家への道を大学で決め、陶芸で食べていく術を大学院で学びました。

ワクワク感とスケール感

篠崎裕美子さんの作品「Hungry Man」常に作品づくりには「ワクワク」感を大事にしています。作品によっては「売れるかなあ」を優先して考えてしまうこともあります。それも大事ですが、まずワクワクするかしないかというのを判断基準にして、そこから作品としてどう表現していくかを考えるようにしています。時には、ワクワクするものが思いつかなくて作れなかったりすることもあります。

作品作りの材料のため、普段からいろんな情報を、自分の頭の引き出しに入れておくようにしています。例えば、マンホールの模様とかピーマンを割ったときの模様とか。面白いと思ったものを切り貼りして作るので、作品を見た人は当然戸惑います。それで、作品を見た人から、「え、これなに?」と言われると、自分では成功したなって思います。

気に留まったものは、常にノートに書き留めるようにしています。絵に限らず、文字だったり、ケータイの写真だったり。

あと作品のスケールです。例えば伝統工芸の茶碗とか小さいものでも宇宙が広がるという人もいるくらい。大きなものはもちろん、小さなものにでもそういうスケールってすごくあると思うんですよ。

(画像:篠崎さんの作品「Hungry Man」) 

大人子どもがいっぱい

直方って、大きな作品を作るため野焼きができる場所を探して、土地が出てくるところがすごい。大阪や東京では、まず「危ない」「できるの?」でも直方では、「え?面白いじゃん!」なんか、ワクワク感を共有してくれる大人子どもがいっぱいいるという感じ。

あと、炭坑で育ってきたおじちゃんたちのハートが強いし、みんな遊びを知ってます。教えてもらうこともめっちゃありました。元取山の麓にログハウスをたてて、でっかい陶芸の野焼き窯を立てたり、集まって一緒にご飯を食べたり、イノシシを狩ったり、土地を整備し「ここの石は面白い」と言って、まっ平にしている中に石をどんと残したり。一緒にいてすごく楽しい。生き方とか遊び方とか、一種の「美」を持っていると思います。


野望

いつか、陶芸の素材を使って家を建てたい。建築の人たちとコラボして、既存の住宅を作品化して家賃収入を得たいです。団地の中でも面白いですね。苦情がくるかもしれませんが(笑)。創作するのも美術館や百貨店の依頼ありきでなく、また画廊に限らず野外で作ったりとか。そういうところで廃虚になったところに人を呼び込めればいいな。

今後拠点を海外に移すときは、町の色彩が豊かなメキシコ。知り合いの陶芸家がいるし町の色彩が豊か。大きな作品を作る創作環境のあるインドネシア。ほかにもアートの本場ニューヨーク・ドイツとか。

今年は、拠点探しの一年になりそうです。


ここだけの話(内部リンク)

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