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洞ノ上浩太さんインタビュー

更新日 2019年02月14日

リオを決めた東京マラソン

インタビューに応じる洞ノ上さん東京マラソンはリオをかけた大事なレース。リオへの切符を勝ち取るためには、総合3位以内かつ日本人選手トップ。さらに陸連が定めるタイムが必要。

世界の強豪をはじめ、世界ランキングの上位に名を連ねる多くの日本人が相手です。彼らに勝つため必要な力はまず腕力。続いて大胸筋や背筋といった他の筋力で出力を上げていくかが最大のカギ。どんなにトレーニングを積んでも、勝てる保証はありません。一年を通して常に高いレベルでトレーニングを重ねることが必要です。

相棒であるレーサーにもこだわっています。国産のフルカーボン製で振動吸収が良く、がたがた道を走ってもスピードが上に逃げることなく、前へ前へスムーズに進みます。しかし、高性能のレーサーに乗れば、皆がいいタイムを出せるわけではない。レーサーによっては、登りに強かったり、逆に下りに強かったり。更に選手の乗り方や癖によっても大きくタイムが変わります。

結果は、コースレコード(1時間25分38秒)に迫る1時間26分1秒で日本人選手中トップ。リオへの代表選考基準を満たし、切符を手中にしたその瞬間は、正直ほっとした気持ちでした。

人生の転機

「若い頃はやんちゃばかりしていました」と笑う洞ノ上さん。その人生が一変したのは2000年3月。

26歳を目の前にしていた頃、バイク事故に遭いました。運転中に転倒し、その勢いでガードレールの支柱に背中から激突。その事故で脊椎を損傷し、身体に障がいが残りました。40日を超える集中治療。いつまで続くか先の見えないリハビリ。このまま寝たきりになるのではないかという不安に、ずっと苛まれました。しかし、同じような境遇にある子どもたちが懸命にリハビリに取り組む姿に、このまま腐っていてはダメだと思いました。障がいを受け入れられるようになったのはそれからです。

出会い

洞ノ上さんの相棒入院生活中にある男性と知り合いました。その人は笹原廣喜さん。後に、北京パラリンピック車いすマラソンで、銀メダルを獲る人物です。

退院後に笹原さんから誘われ、彼が出場する車いすハーフマラソンを見に行き、その光景に衝撃を受けました。目の前をありえないスピードで駆け抜けていく迫力。見終わる頃には、「俺もやるぞ」という気持ちになっていました。それが車いすマラソンとの出会いです。

車いすマラソンは本質的には「速く走ればいい」という単純な競技。しかし、それゆえに奥が深い。根性でそこそこ速くなりますが限界があります。車いすマラソンは、自転車競技と同じように駆け引きが要求されます。前方の選手にぴったりとついて走れば、風の抵抗が抑えられる分、少ない力で走れます。レース中は他の選手の動きなどを見て、柔軟に走り方を変えなければいけません。細かな駆け引きが勝利に繋がる。そこが大きな魅力です。

4キロダッシュ×10

10年以上にわたり世界の舞台で活躍する洞ノ上選手。リオの舞台で、体格に勝る世界の強豪と戦うためのトレーニングとは。

リオのマラソンコースをイメージして、遠賀川のサイクリングロードで走りこんでいます。

4キロメートルをフルマラソン以上のハイペースで一気に走り抜き、Uターンして、またひたすらダッシュ。それを延々と繰り返す。

Uターンにかかる4秒間は、乳酸を抜くことに集中する。疲労をできるだけ早く抜くことが目的です。

海外の選手は身体が大きく、腕の太さ、リーチの長さは尋常ではありません。終盤のスプリント勝負に持ち込まれると歯が立ちません。体格に勝る彼らに勝つには、スタミナをつけて、中盤で勝負を決めなければなりません。

最初の4キロがだめでも次で挽回してやるなど甘い考えは捨て、どんどん攻めます。そうしなければチャンスが無くなります。4キロダッシュが10回しかできない。42キロしかない。自分をギリギリまで追い込み、鍛えあげてレースに臨む。

トレーニング中の洞ノ上さん

目標を持つということ

幾多の経験を経て進化を続ける洞ノ上選手。彼と同じ境遇の人や、将来を担う若い世代、そして地元である筑豊へ、彼からのメッセージ。

車いす生活になったときは、人生のどん底でした。笹原さんや車いすマラソンとの出会いで新たな目標や夢を持てたことがどんなに素晴らしく生きがいに繋がったことか。

『健常者はスポーツをした方がいい、障がい者はしなければならない』

車いすマラソン世界記録保持者ハインツ・フライの言葉です。障がい者にとって、スポーツは機能回復だけでなく、目標を持つこと、そして夢を持つことに必要だということです。

障がいを持った子どもたちが、何かのきっかけでスポーツを始め、メダルを獲れるような選手に育ってくれれば、こんなに嬉しいことはありません。障がいのある人こそチャレンジしてほしい。

出身地の飯塚と、現在暮らしている直方を繋ぐサイクリングロードで、私は成長させてもらいました。遠賀川沿いを走るこのサイクリングロードを生かし自転車レースなどでまちとまちを結ぶことができればいいですね。


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